SB Human Capital

SBヒューマンキャピタル株式会社

サイトマップ

「サッカーを通じて得たものを、これからも様々なフィールドで活かし続けていきたい」。前園真聖さんインタビュー

イーキャリアNEXT FIELD 前園真聖さん

左)木崎 秀夫(SBヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役社長)
中央)前園 真聖さん
右)三倉 信人(SBヒューマンキャピタル株式会社 地方創生支援部長)

前園真聖さんは、92年に鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスへ入団。96年のアトランタオリンピックではチームのキャプテンとしてその手腕を発揮し、複数の海外クラブでのプレーを経て05年5月に現役を引退してからは、サッカー解説や多数のメディアに出演しながら「ZONOサッカースクール」を主催し、全国の子供たちにサッカーの楽しさを教えるための活動を行なっている。今回はそんな前園さんに、日本のプロスポーツにおけるセカンドキャリアについて、SBヒューマンキャピタル代表の木崎と同社地方創生支援部長の三倉がお話を伺った。

現役時代に学んだことが全てに活きていると日々実感。

木崎改めて、現在どのような仕事を行っているかお聞かせ頂けますか?

前園現役引退後から「ZONOサッカースクール」を主催しており、全国各地で子供たちに対してサッカースクールを実施しています。その他にも、テレビ番組だけでなく講演であったり、様々なイベント等にも出演させて頂いています。

木崎講演では主にどんな内容をお話されているのでしょうか?

前園主には現役の時に身をもって学んだチームワークやモチベーションコントロールの話であったり、広くサッカーの経験が今の自分の人生にとって何にどう役立っているか?というテーマでお話しすることが多いですね。あとは、自分の失敗経験などもお伝えしたりしています。

三倉聞いてみたいお話ばかりですね!前園さんはプロサッカー選手を引退した後に何をしようかとか、どのあたりのタイミングで考えられたのでしょうか?

前園プロスポーツ選手は皆そうだと思うのですが、現役のサッカー選手を辞めた後の人生の方が遥かに長いんですよね。僕の場合は改めてそれに気付いて、「さあこれからの人生をどうしようかな?」と考えた時に、現役引退しようと決めました。

木崎なるほど。前園さんはまさに今も様々なフィールドでご活躍をされていますが、「サッカー人」としての経験が、人として役に立ったな、と感じる部分はどのあたりになるんでしょうか?

前園そうですね。サッカーをずっとやってきて一番に思うのは、「サッカーは決められたことのないスポーツだな」ということでして。常にピッチの中では、自分が主体的に考えて動いていかなければいけない。実はこれって、一般社会に出ても同じだと思っていて。そもそも「一人ではできないもの」という点から共通していますし、常により良い状況を見極める必要性なんかも似ていたりとかね。ただ待っているだけでは自分にボール(仕事)なんて来ないし、チームメイトが見えないところで走ってくれていたことが点に繋がったりとか、攻撃だけやっていれば良いものではなく守備も必要だとかいった点も、企業や組織の成長と同じことなのではないかと思っています。そういうことの大部分は、サッカーを通じて培えたんじゃないかと感じていますね。もちろん、社会に出たら基礎から学ばなければいけないことも沢山あるとは思いますが。

「プライドを捨てられるかどうか」が実は一番大事

イーキャリアNEXT FIELD 前園真聖さん

三倉仰る通りですね。レベルは全然違うかもしれませんが、学生時代の部活動や価値体験の多くが社会人としてのベースになっていると感じる事は、私も非常に多いです。 イーキャリアNEXTFIELDではプロ野球とプロバスケの引退選手向けにセカンドキャリアの支援活動を行なっているのですが、野球だと若手の育成選手等も多くいらっしゃいます。これからセカンドキャリアに向かっていく選手達にメッセージをお願いできますか?

前園本当は好きなスポーツをずっと続けていければ一番良いのかもしれないけれど、サッカーであれ野球であれ、やはり限られたパイの中プロで居続けることは非常に難しいですよね。僕はセカンドキャリアを真剣に考える上で「自分はプロでやってきたんだ」というプライドを捨てられるかどうかがとても大事なんじゃないかと思っています。

三倉変なプライドはセカンドキャリアにとってマイナスになる、ということでしょうか?

前園そうですね。僕自身、過去に元プロサッカー選手なんだ、と言うプライドが邪魔をしてしまう経験があったんです。それまでプロスポーツ選手として積み上げてきた事は、社会の中で絶対的なポテンシャルとして活かせると思うのですが、だからこそそれまでとは違うフィールドでもう一度真剣勝負をするという時には、過去のことは捨てて新しいことに一からチャレンジするんだ、という踏ん切りが必要だと思うし、セカンドキャリア以降に成功をしている人達というのは、それができているんだと思うんですよね。

木崎実体験からくるリアルなメッセージ、ありがとうございます。私自身「ドーハの世代」なので前園さんはまさにカリスマプレイヤーなわけですが、そんな前園さんでも、引退直後には世の中との接し方を最適化していくことに対する葛藤や悩みはあられたのでしょうか?

前園もちろんです。生活環境の変化や周囲の目、いろんな悩みを経験しましたが、客観的に自分に「ダメ出し」をして、その葛藤を切り替えた時に活動の幅が広がって今に繋がったのではないかと思っています。

フィールドが変わっても努力をし続けていきたい

木崎最後に今後の前園さんの展望をお聞かせ頂けますか?

前園僕の場合は運よく引退後も引き続きサッカーに携わることを多くやらせて頂いていますが、多分テレビに出演するタレント業だけではダメで、サッカーと両方があって初めてバランスが取れているのかなと思っているんです。今後も全国の沢山の子供達とサッカーを通じて接したりとか、どういう形であってもサッカーには引き続き強く携わり続けたいですし、それがサッカー界への恩返しになったらなと思います。後は、どういう現場であっても努力し続ける人でありたいですね。

木崎ありがとうございます。プロスポーツ選手を目指す多くの子供達にとっても、我々もセカンドキャリア支援という持ち場の領域でその整備を引き続き頑張っていきたいと思います。