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ポケモンからバスケ界へ。異色の経歴を持つプロバスケBリーグの事業会社代表・鶴宏明さんインタビュー

イーキャリアNEXT FIELD 鶴宏明さん

左)三倉 信人(SBヒューマンキャピタル株式会社 イーキャリアNEXTFIELD責任者)
中央)鶴 宏明さん(B.MARKETING株式会社 代表取締役)
右)工藤 泰正(SBヒューマンキャピタル株式会社 取締役)

2016年9月に日本の男子プロバスケットボールリーグである「B.LEAGUE(Bリーグ)」が開幕した。同月、バスケットボールの事業規模の拡大・成長戦略の加速に向けて設立されたB.MARKETING株式会社で代表を務める鶴宏明さんは、スポーツ業界とは全く異なる領域からこの事業に参画をしたという、異色の経歴の持ち主だ。そんな鶴氏に、SBヒューマンキャピタル取締役の工藤、同社でイーキャリアNEXTFIELDの責任者を務める三倉がお話を伺った。

キャラクターコンテンツの世界から、スポーツコンテンツの世界へと転身。

工藤現在のお仕事の内容を教えていただけますか?

日本バスケットボール協会(以下「JBA」)とジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(以下「B.LEAGUE」)が合同で設立した事業会社・B.MARKETING株式会社で代表を務めております。大会のイベント運営やプロモーションはもとより、JBA、B.LEAGUEの持つオールライツをまとめ、ビジネスパートナーやお客様にとって魅力的なパッケージコンテンツを提供することを目的に、日々活動をしています。

工藤どんなきっかけでこのお仕事に携わるようになったのでしょう?

2016年9月にB.LEAGUEが開幕となり、バスケット界全体として新しい体制でスタートするというタイミングで、B.LEAGUEをエンターテイメント要素のあるスポーツコンテンツに育てていくためには、スポーツマーケティングに止まらないビジネスマインドを持った人間が必要ではないか、という声が出ていたようです。そこで、全くの「畑違い」だとは思うのですが、ポケモン株式会社等でキャラクターコンテンツをやっていた私に縁あってお声がかかったのがキッカケでした。私自身、スポーツはとても好きですが、この領域で仕事をするというのは全く未知の経験である一方で、それまで経験してきたエンターテイメントの世界のノウハウがお役に立てるのであればと、参画を決意したんです。

工藤それは、組織の中でも珍しいキャリアになりますね。

そうだと思います。それまで全くスポーツの世界に携わった経験がないというのは、 極めて特異な例になるのではないでしょうか。しかし、バスケットボールもひとつのコンテンツと捉えると、その価値をいかに最大化してそれをステークホルダーに伝えていくか、という部分においては、私自身がやってきたアニメの世界やキャラクターの世界での経験が大いに活かせる部分かな、と感じています。

プロであればこそ、プロ生活の後を選手自身が考えられる世の中にしたい。

イーキャリアNEXT FIELD 鶴宏明さん

鶴 宏明さん(B.MARKETING株式会社 代表取締役)

三倉なるほど。実際にこのお仕事に携わられて、プロバスケ選手やプロスポーツ選手のセカンドキャリアについて感じる課題はありますか?

私がリクルート出身で、キャリアに関してはもともと関心が高いタイプだとは思うのですが、やはりこの仕事を通して実感しているのは、プロスポーツ選手が毎日の真剣勝負の中でセカンドキャリアを真剣に考える機会というのは、一般の会社員が急なアクシデントで仕事を大きく変えることに比べて明らかに高確率なわけで、そこをサポートしていくのはリーグとしても当然の責任だということです。

三倉確かに、プロスポーツ界というのは「全員が定年まで現役!」という訳にはいかない、厳しい競争環境ですものね。

はい。一方で選手の側にその意識が全く無いと、サポート環境を整備するだけでは成り立たないことでもあります。総じてプロスポーツ選手は一般の社会人に比べて、人として生きていく上で必要な「ライフプラン」という部分の優先順位が低いのかな、と感じることは多いですね。なので、誰かが日常的にそこに対する気付きを与えられる環境も作っていかなくちゃいけない。

工藤それは、我々もセカンドキャリアのサポートを日々お手伝いさせて頂く中で、非常に実感のあるお話ですね。

現役の選手達に対しては、「プロとは何か」ということに加えて、プロであればこそ、プロでなくなった時の意識・準備が必要であって、そのマインドを醸成していく必要があると思っています。日本のプロスポーツ界は海外のプロリーグのように年金などの引退後における手厚いサポート環境等が未整備な部分も多いので、この部分の意識をどう根付かせていくかは今後の長期的な課題だと考えています。

工藤そうですね。これからB.MARKETINGとしては、どんな取り組みを進めていきたいと考えていますか?

研修会のようなプログラムを増やして、現役の選手に対して習慣化を推進していきたいですね。一方で、これは何においてもそうだと思うのですが、身内に言われても響かない、というのも課題だと思ってまして(笑)。第三者から客観的なアドバイスとして言われた方が自分ごととして伝わることもあると思うので、「イーキャリアNEXTFIELD」の取り組みに代表されるように、パートナー企業様の存在も大変重要であると考えています。

セカンドキャリアを皆が考えられる環境に。

三倉ありがとうございます。最後に、現役のプロバスケ選手・プロアスリートに向けて、キャリアについてのアドバイスをお願いできますか。

忙しい中でも、できる限り意識して競技外の人と触れ合うような機会や接点を持つこと。「チャネル」を多く持つということが必要であり、重要だと思います。現役の選手にとっては、どうしてもプロスポーツ選手として24時間集中をしていると、他の色々な情報が入ってこない環境だと思うんです。そんな中で、常日頃からセカンドキャリアを意識しろ、というのも難しいですが、やはり考えるキッカケというか、機会を創って欲しいなと。 そのための環境を整えたり「場」を作ることも我々のミッションだと思いますし、パートナー企業様やファンの皆様をはじめ、リーグ全体、スポーツ界全体がセカンドキャリアについて考えていけるような環境にしていけるよう、尽力していきたいと思います。