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13年の現役生活後、ソフトバンクへ入社。会社員と実況・解説の仕事とマルチに活躍する江尻慎太郎さんインタビュー。

イーキャリアNEXT FIELD 江尻慎太郎さん

左)木崎秀夫(SBヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役社長)
中央)江尻慎太郎さん(元ホークス、現在はソフトバンク コマース&サービス株式会社 マーケティングバンク推進室)
右)三澤慶一(元プロサッカー選手、SBヒューマンキャピタル株式会社 HR事業本部メディア事業部)

2002年から2014年まで、日ハム・ベイスターズ・ホークスと3球団にて投手として活躍した江尻慎太郎さん。2015年からはソフトバンク コマース&サービス株式会社に就職。「マーケティングバンク推進室」にてマーケティングに役立つクラウドサービスの提供を行う。現在は同社で活躍する江尻さんへ、SBヒューマンキャピタル代表の木崎、そして元プロサッカー選手で現在SBヒューマンキャピタルで営業リーダーを担当する三澤がインタビューを実施した。

自分の可能性を広げるため、ビジネスの世界を選択。

木崎現在のお仕事内容について教えていただけますか?

江尻今はソフトバンク コマース&サービスという会社で「マーケティングバンク推進室」という部門に所属しています。さまざまな企業のデジタルマーケティングを支援するツール、たとえばマーケティングオートメーションやソーシャルメディア解析ツールなどを広げていくための仕事をしています。エンドユーザーとなるお客様や代理店のみなさんとのやりとりを通して、販路を拡大していくことがミッションです。

木崎最先端のお仕事ですね。不安はなかったですか?

江尻まったくなかったですね。面接の際にも、「ここ最先端だけど、大丈夫?」と聞かれたのですが、「あ、最先端なんですか。大丈夫です」って答えました(笑)。最先端ということは他の人たちもほとんど知らないわけですよ。ですので他の人も自分と同じくゼロから勉強するんだから、大丈夫だろうと思っていました。

木崎もともとどんな経緯で今の会社に就職することになったんですか?

江尻戦力外になる前日に球団から呼び出されて、戦力外通告になるだろうという旨と今後はチームのスカウトとして働いてほしい、という話をもらいました。それと同時に別の方からもソフトバンクグループで働く気持ちがあるなら推薦してもいいけど、という話をもらいまして、そこで後者を選んだことがきっかけです。

三澤今のお話しを伺うと、スカウトとしてであれば野球の仕事が続けられるということですよね?なぜ野球以外の仕事を選ばれたんですか?

江尻広がりを感じたからですね。名刺交換もしたことがなかったですし、ソフトバンクのホームページを見ても何が書いてあるかさっぱりでした(笑)。ただ、もし自分がビジネスの世界で新しい事業をリードしていくことができたら、それは自分の可能性を広げることにつながるのかもしれないなと思いました。

マルチに活躍するプロ野球OBを輩出していきたい。

木崎数年後どうなっていたいか、具体的な目標はありますか?

江尻さまざまな世界でマルチに活躍するプロ野球OBを輩出したいと思っています。プロ野球選手はずっと野球しか経験せずに来ている人が多いので、引退後に次の仕事を愛せるかどうかすごく不安だと思います。僕自身もソフトバンクには携帯電話のイメージしかなかったですし、本当にそれがやりたいことだとは正直思っていませんでした。入ってみたら全然違う可能性があることを知りましたが、僕の場合はそれに加えてスポナビにも籍を置いて解説や実況の仕事もできているので、複数の仕事を同時に経験できているのが大きいと思います。たぶん他の選手も最初の就職先で合う会社を見つけることはそんなに簡単ではないと思うので、複数の仕事でマルチに活躍できる人を増やしたい、というのは目指しているところです。

アスリートはどうしても他の世界に興味を持つのが悪だ、という風潮がありますが、やはりさまざまな世界を知ってほしいなと思います。

木崎実際にマルチに活動することのメリットを感じられたことってありますか?

江尻それは多々ありますね。僕くらいの実績の選手が解説や実況をやるケースってあまり多くはないと思うんですが、会社員をやりながら実況もやるというところを面白がってくださる方が多かったんですよね。逆に野球関連の講演の仕事が営業でのプレゼンに活きたりすることも多いです。

引退した今でも、プロ野球界を代表する気概を胸に。

イーキャリアNEXT FIELD 江尻慎太郎さん

江尻慎太郎さん(元ホークス、現在はソフトバンク コマース&サービス株式会社 マーケティングバンク推進室)

三澤元プロ野球選手として大事にされている考え方ってありますか?

江尻そうですね、今の環境にすがるのではなく、「いつクビになるかわからない」という緊張感は日々持って取り組んでいきたいとは思っています。会社員だって夢に向かって進んでいく人もいれば脱落する人もいる。そういう意味ではプロ野球選手と変わらないと思うんです。常にそういう感覚を持って現状に甘んじることなく取り組んでいきたいと思います。

木崎プロ野球選手は個人事業主ですから、そういう厳しい感覚は会社員以上に強いかもしれませんね。三澤君はどう?

三澤自分も営業という仕事なので、やはりそういう感覚を持っていたいと思いますね。どうしても甘えちゃう部分もありますが。

江尻僕も当然甘えが出てしまう時もあるんですが、そういう時にやはり元プロ野球選手だから恥ずかしいことはできない、というプライドが自分のモチベーションを支えてくれますね。僕はたまたまプロ野球を13年やりましたけど、年数にかかわらず元プロ野球選手という肩書からは逃げられないんですよ。だから今でも野球界を代表して戦ってるんだ、という気持ちで仕事をしています。

木崎それはプロ野球界に対する恩返しの思いもあるんでしょうか?

江尻それはもちろんありますね。僕みたいなケースがこうやって取り上げられたりすることで、次の引退選手の就職がしやすくなったりすることもあると思います。いろいろな人から「いつか野球界に戻ってこいよ」と言われることもあるんですが、僕は今の活動自体がプロ野球に貢献している気持ちで活動しています。

臆せず怖がらず、勇気を持って次のキャリアへ飛び込んでほしい。飛び込んだ先にその次の道が拓けてくる。

木崎今当社でもイーキャリアNEXTFIELDを通して各球団のキャンプ地を訪れてキャリアについて考えるワークショップなどを実施しているんですが、プロ野球選手のセカンドキャリアについて、江尻さんのお考えをお聞かせいただけますか?

江尻さっきのマルチに活動するという話に似ているのですが、やっぱり現役時代の空き時間を有効活用して、いろいろなことに興味を持ってさまざまな経験をしてほしいなと思いますね。アメリカの野球選手って小さいころからいろんなスポーツを経験していたり、スポーツ以外でもさまざまな経験を積んでいる人も多いので、何かそういう経験を現役時代にもできていると、引退後のキャリアの選択肢も広がると思います。

木崎実際に今セカンドキャリアを考えている選手や、それを受け入れる企業の方々に、何か伝えたいことはありますか?

江尻選手には、一歩目で臆せず怖がらず、勇気を持って飛び込んでみてほしいですね。これまでは野球だけで生きていくって決めていたかもしれませんが、一歩目を踏み出した時に次の道が見えてくることもあると思うので、フットワーク軽くさまざまなことにチャレンジしてほしいと思います。

また、受け入れる企業側には、「元選手だから…」と変に特別扱いせず、彼らに責任ある仕事をどんどん任せてほしいと思います。