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2008/02/05

株式会社カカクコム

[時代を創る、自分を育てる]インターネット企業のワークスタイル

ユーザー視点に立ったサービスを追求し、本当に便利で役立つ買い物ポータルサイトへ。

パソコンやその周辺機器の商品情報、価格情報比較サイトとして誕生した『価格.com』。その後、取扱商品のジャンルを増やすだけではなく、新たなサービス分野への進出も著しい同社の成長戦略とは?

1997年、パソコンおよびその周辺機器の価格比較サイトとしてサービスを開始した『価格.com』は現在、1日のページビュー約1305万、月間利用者数約1081万人 (2007年10月31日現在)という巨大サイトに成長した。ホテル・旅館の予約、分譲マンションの検索など、サービスジャンルの広さでも定評のある同社で、「食べログ.com」を立ち上げ、人気サイトに育て上げた村上敦浩氏。「食べログ.com」とカカクコムに対する想い、インターネットビジネスにどのような可能性を見ているのか、語ってもらった。

インターネットの将来性+新規事業を立ち上げられる魅力

コンサルティングファームで働くうちに「いつかは起業したい」という思いを持つようになった村上氏。

「前職では大企業のコンサルティングだったため、企業の一部の課題解決にしか関われなかったんです。起業するためには、特定分野だけでなく、財務、マーケティングなど、様々な分野で課題を解決していかなければならない。また、コンサルティングではどこまでいっても当事者意識を持って働くことができないということが不満でした。そして徐々に自ら事業を企画し運営する立場で働きたいと思うようになりました」。

そこで30歳を前に転職を決意。コンサルタント時代にITで世の中が変わることを実感していた村上氏は、インターネットに関わる仕事に面白さと将来性を感じ、インターネット関連企業を中心に転職活動をした。

「その中でカカクコムを選んだのは、成長段階にある企業であること。そして、買い物ポータルというコンセプトだから、企画する分野に制約がなく、自分が興味がある分野で事業を立ち上げられると考えたからです」。

ユーザーを徹底的に大事にすることが、成長につながる

本社エントランス画像
オフィスでは頻繁に情報交換が行われる。「ユーザー視点のサイトをつくるには、いろいろなものに興味を持つミーハー的感覚も必要

新規事業を立ち上げたいという村上氏の希望は、入社数ヶ月で実現する。会社側から「衣食住のジャンルを手がけていないから、そこで新しいサービスを考えてほしい」と言われる。

「それなら、食べ歩きが好きだからグルメサイトにしよう」ということで始まったのが、口コミグルメサイト「食べログ.com」の企画だ。

「自分とエンジニア2人の計3人でサイトを完成させたのは入社5ヶ月目のことでした。口コミグルメサイトは、先行する他社サイトがありましたが、ユーザー視点でまだまだ不十分な部分がありました。だから自分が"ユーザー視点に立った本当に使えるグルメサイト"を作ってやろうと思った」。

そこで写真投稿、ブログとのリンク、掲示板などの機能を盛り込んだサイトにする。

「口コミサイトのコンテンツは運営側ではなくユーザーがつくるものだから、とにかくユーザーを大切にしようと思っています。それを徹底していくことで、徐々にアクセス数が伸びた」。

掲示板に上がったユーザーからの要望を早いときには1日で、遅くても1週間以内には解決する。それを徹底することで、先行していた口コミサイトからヘビーユーザーが流れてくるようになり、利用者数は1年で50万人、16カ月で100万人と、飛躍的に伸び、現在では月間約450万人が利用する巨大サイトに育った。ユーザー視点を忘れないため、プライベートでは外食や遊びを楽しむことも大事にしている。

「お店の評価はユーザー評価の単純平均ではなく複雑なロジックで算出されているため、他サイトと比べ非常に信頼性の高いものになっています。今後はユーザーがお店を評価するだけでなく、お店からも情報発信できる相互ポータルにすることが目標です」。

新しい業界だから若くして責任あるポジションにつける

村上氏は将来、インターネットとテレビの垣根がなくなると思っている。パソコンの中に全てがあり、それらがネットワークでつながる社会が来たときにビジネスの幅はもっと広がる、と予測する。

「今はCGMにフォーカスしていますが、ユーザー視点で便利さを追求すれば、必ずしもCGMが正解とは限りません」。

この"ユーザー視点"というのは、創業時からカカクコムが大事にしている考え方である。ユーザーのためにより多くのジャンルに進出し、買い物のポータルサイトになること。それが同社の将来ビジョンだ。

「自分たちの生み出したサービスが多くの人に使われ、それを普段の生活でダイレクトに感じることができる。これがこの仕事の醍醐味です。それと、まだ新しい業界なので、若いうちから事業全体が見えるポジションにつける魅力もある。また、当社でいえば、消費者という立場で良いと思うサービスしかやらないので、働く者として非常に納得感があるのも魅力でしょう」。

起業の準備と考えてカカクコムに入社した村上氏。しかし現在は「食べログ.comって便利だよねとか、いつも使ってますよとか言われるのが嬉しくて。日本一のグルメサイトになるまでは続けたいですね」という。そして「こんなふうにジャンルやサービスを愛せる人にカカクコムの仲間になってほしい」と、話を結んでくれた。

事業開発本部・事業開発部長 兼 食べログ.com運営責任者

村上敦浩氏

慶應義塾大学経済学部卒。アクセンチュアを経て、2004年10月カカクコム入社。入社5カ月目に「食べログ.com」を立ち上げ、月間450万人が利用する大規模サイトに育て上げる。現在32歳。

会社概要
企業名株式会社カカクコム
本社所在地

〒112-0004 東京都文京区後楽1-4-14 後楽森ビル

事業内容

インターネットによる購買支援サービス提供事業

設立1997年
代表者田中 実
従業員数163名 (男性116名 女性47名 2007年10月現在)
URLhttp://kakaku.com/

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本記事は、日経ビジネスアソシエ08年2月5日号に掲載されたものを転載しております。